JavaにC++のconstがあったらいいなぁと思った時期があったけど


やっぱり、mutableやconst_castと縁を切ることができないので駄目な気がした。


あったらいいなと思ったのはconst int hoge;とかじゃなくて、もちろんconstなメソッド。


constはメンバ関数にconstなメソッドであることを宣言することで、
「変更不可」を表し、
「constな参照、constなポインタからはconst(変更不能)なメンバ関数しか呼び出せなくする」
というdefensiveな機構で、finalとは似て非なるものなのですが、


constについて考える時、Javaがfinalにした意味がわかるような気がする。

class Hoge
{
public:
    Hoge (int value) : value_(value) {}
    virtual ~Hoge (){}
    int getValue() const { return value_; }
    void setValue(int value) { value_ = value; }    
private:
    int value_;
};

というクラスがあった場合、getValueはconstなメンバ関数。
setValueは自身を変更してしまうのでconst性を持つことができない。

よって、

    Hoge* pHoge = new Hoge(100);
    const Hoge& refHoge = *pHoge;

 とすると、

    pHoge->setValue(100);
    pHoge->getValue();

 は正当な呼び出しだが、

    refHoge.getValue();

 は赦されても、

  refHoge.setValue(1);

 は駄目で、
 constな参照であるrefHogeからはconstでないsetValueを呼び出せない。
 また、constであるgetValueはその中身でメンバ変数を書き換えることもできない。


 これは凄く堅牢な仕組みに見える。


 が、実際これを打ち破る術がconst_castとmutableで、

 const_cast<Hoge&>(refHoge).setValue(1);

 はconst性を除去するので不法ではないし、
 メンバ変数value_をmutableな変数であると宣言すれば、
 setValueをconstなメンバ関数であるとすることもできる。(変更しているが変更不可のふりができる)


 const_castはconst性の付与と除去のためだけに使われ、
 mutableはconstなメンバ関数から変更可能であるという指定に使われる。


 結局のところ、
 これら不法の整理をすることを考えると一筋縄ではconstを導入することはできないだろう、
 と思われるのだ。
 Javaが取り込むにはちょっと荷が重い気がする。
 やっぱりC++は自由と不自由のいたちごっこみたいな言語だ。
 const好きだけどね。
 まる。

 Pythonでも__setattr__などでごにょごにょやればconst的なメソッドは作れるかもしれないけど、
 結局constな参照などが使えないと魅力半減、
 で、もしそういうのができても「constだけど変更したい」とか言われるのがオチ。
 ということで他言語でも殆ど採用されない機構なのであった。