手を使うべからず

 以前携帯端末を扱った仕事でソースの管理を見たときにある意味カルチャーショックを憶えた。
 ソースを同期させるために行われているのは「手作業」。ある日、そのリーダが「何時までにソースをいれろ」というので共有フォルダにソースを入れる。その後、手作業でソースを擦り合わせし圧縮ファイルでその共有フォルダにアップされる。

 あとは、個人が自分のソースと設定ファイルを待避させて圧縮ファイルを解凍したところに上書き。

 これがたまに行われる。それがその仕事でのチーム内におけるソースの同期処理。

 おいおい、と想ったけれど派遣だったので文句も言わず。せめて自動パッチでもあれば違うのだろうけれど、そういうこともなし。履歴はそのリーダが自分のPCで「回収時」のものだけ保持しているという有様。

 ……どうしてCVSなど使うという発想がでてこないのか。単に知らないのか、信用していないのか。恐らく昔ながらの方法論を踏襲しているだけで疑いもせずにそのまま来ているのだろうと感じた。
 そういう方法なのでそのリーダが書いたライブラリにバグがあってもすぐには修正されない。次に直す、というばかりでこっちは「おいおい」と想うばかり。他のプログラマと連携をとるときはソースを手作業で受け取って差分更新……「お、動かない」「じゃ、これも必要だ」ということがよくあるよくある。
 デザイナのリソースも手作業で更新されるので、誰かがアップを忘れていると明らかに見た目がおかしくなる。メリットは恐らくリーダの自己満足だけ。

 何というかパラダイムシフトに取り残されていくプログラマというのはこうして生産されるのだなぁと思った一件でした。
 このリーダにはほかにもいろいろと問題があるのですけれども。