デスマーチのコスト
デスマーチのコストのツケを支払っているのは一体誰だろう?
ということで経験談から。
前の会社の問題点列挙。
- どう見積もっても1年かかるものが8ヶ月程度で受注される。
- プログラマを4人用意すると言いながらその額で受注しつつ、なぜか開始から4ヶ月近く1人しかいない。
- 最初に纏められるはずの顧客要求は不確かなまま進む。
- 開発をしながら会議をするなかで徐々に顧客要求が移り変わっていく。
- 仕様書がないので当初から大幅な仕様の変更に耐えうる設計と実装をせざるを得ない。
- プロジェクト後半で火消しにとプログラマが投下されるが例によって役に立たない。
- 忙しい筈のところになぜか人材が他のプロジェクトに駆り出される。
- 遅延は客に隠され続けるが、ある場所で突然「間に合わない」という話をせざるを得ない。
- 納期は必ず延び結果として1年(当初の見積もり)ほどかかる。
- 品質は最低限動作を満たしているものの当然よくない。
……ここで結果として得をしている人間というのは存在しない。
要するに人材を用意できないのにも関わらず仕事を受注し、短い時間を設定して無理矢理にでもスタートさせることによる弊害は数知れない。
顧客は用意されるであろう人間のコストを払っているわけだからして、それよりも少ない人間でプロジェクトを完遂させれば企業として儲かるわけだが、実際には遅れが生じ後に人材を中途半端に投入するので火消しにさえならない人物にコストがかかり、実際に儲けはでない。
維持コストとして用いるのがせいぜいだ。
そして、そうしたプロジェクトの火が少しずつでも収まっていくのは最初にプロジェクトに投入されたものが死にものぐるいで働いているからだ。
最初から「これはできませんよ」と言っているのにも関わらずその対処をのばしのばしにし、結果として炎上したプロジェクトを何とか炎上していないかのように見せかけながら終演までつなぎつなぎで進めるしかないと考える企業。
こうしたやり方をした結果として、そのコストは誰も支払えないことになる。
何も得なかった会社は、単に燃え尽きるか廃れていってしまうだけだ。