遅まきながら「残業禁止法」(R25 No.110石田衣良)。*1
「残業禁止法」なんて聞くと「自殺自由法」とかを思い出してしまいますが、まぁ、それはさておき。
エッセイの内容は要するに日本における男性の平均帰宅時間は20時49分で、欧米では17時後半から18時前半だということ。
プライベートタイムがないのは残業のせいで、そのせいで夜は遊びにもいけず、きっとコンドーム消費量が少ないのもこれに関係するだろう、ということ。残業は日本人を幸せにしているのか? どうせなら週に何度か残業を禁止にしてしまわない?
というお話。こういう事を作家が言っても現実に即していないので非常に説得力がないが、会社員時代がある人なのでそれを思い出して言ったことなのかな。
残業禁止法自体はかなり賛成。現実的ではない、という意見もあるんだろうけど、それは本来は逆で「現実的でない仕事をしている」「現実的でない職場である」だけなんだよね。
ノー残業デイを取り入れている企業もあるが、実体は様々で強制的に電源を落として帰宅させる会社もあれば、暗に自宅で仕事をさせるか、あえてノーチェックでサービス残業となってしまうこともあるらしい。
あとありがちなのが「残業代を含めないと手取りがかなり寂しい」。残業代は基本的に全部でるが、それを入れないと手取りが寂しすぎるので時間を潰すために残業しているケース。
加えて、急なトラブルや決算期などで「タイミングや時期的に残業をしない」なんて難しい! 無理だ!ってことはある。
じゃ、残業禁止法じゃなくて、月労働時間制限法とかで良いんじゃないですかね。一日8時間×22日=176時間、休日出勤の可能性を入れて200時間以上労働したら死刑とか。
要するに、簡単に言えば9時にきて18時に帰れば8時間働いているんだから普通はこれで良いよね? ってことなんですよね。これを9時にきて21時に帰るとか、24時に帰るとかを習慣にしているから馬鹿げた事になるわけで、率先して遅くまで仕事するべきではない。
以前にドイツ(ミュンヘン)に旅行にいったときに驚いたのは、平日の最中なのに大通りに面する様々な店頭で朝も、昼でも、夜までもビールを美味しそうに飲んでいる人が多かったということ。あとは、デパートとか客商売でも殆どが6時に終わりそうになって、遅くても8時には閉まってしまうということ。*2コンビニなんてもちろんない。美しい町並みだから、景観を守る意味もあるだろうけどね。
世の中にはワーカホリックという人ももちろんいるだろうけれど、多くの人は仕事=幸福という訳ではもちろん無くて、自分の時間を持つことを大事にできるべきだ。
プログラマでも「忙しいから勉強なんかできない」*3という人がいるけれど、そういう人の言い訳防止にもなる。
あ、でも、昼から来る人とか、15時とかからしか出勤しないとか、不定期な出勤が当たり前という人はもちろんその時間に帰ってはいけない。
こういう人がいると、夜遅くまでやるため、朝早くきた人も引きずられることがある。
業務上の理由がない限り、普通の時間に出勤するべきじゃないかい?
普通の時間に家を出て「通勤ラッシュに巻き込まれるとやる気がなくなる」ってのは言い訳だ。だって、みんなそうなんだし、それなら10時にこれば良いが、13時に来るのは何事?
と、まぁ、ケースバイケースなので職場でみんな意識して努力しようよ、ってことなんだろう。
労働基準法がどうのこうの、じゃなくて。