俺はこの本を楽しみにしていましたよ

きじねこの高木さんの本です。
http://www.kijineko.co.jp/node/444

組込み現場の「C++」プログラミング 明日から使える徹底入門

いやはや、これをどういったら良いのでしょう？
C/C++で組込をやっている人は必読であり、
そうでない人には全く用事がないという、そんな本です。

自分が特に良いなと思ったのは、
例外を有効にしている際に、組込環境にとってどのような影響があるかということ。これはでかい。
例外なんて切っちゃえ、と思っている自分ですが、
例外を適切に使えるなら例外は正義です。
しかし、大抵の人が使いこなせません。使いこなせないなら、使わないでおくのが正義というものです。

例外の他にも、C++で起きるこんなこと（継承や仮想関数、コンストラクタ、デストラクタ、例外、テンプレート、またはCに対するオーバヘッド）や、
移植性におけるこんなこと（Embedded C++）とか、
実用テクニックに至るまで、組込環境なら読んでおくと、
「うんうん」とか「そうか」と頷くこと間違いなし。
ただし、普通のC++さんは読む必要はないと思います。

ちょっとした残念なこと、実際に組込環境で使われるSTL（風テンプレート）だとか便利テンプレートだとか、そういうものに言及がなかったのが残念。
こっちの方面にも期待してしまったのは自分が期待しすぎなんだとは思いますが。

面白くさらさら読めるので、Cで組込をやってきた人が、
C++も使いますよ、というときにはきっと良いと思います。
オススメです。
ただし、C＋＋Depthシリーズも読みましょう〜。
Effective STLやEffect C++、More Effective C++は読みましょう、
読みましょう、沢山読みましょう、という感じです。
この本だけで、組込ができるようにはなりません。
でも、読んで置いて損という本では決してないです。
.textを小さくしたり、ROMとRAMに気を遣ったりということが今よりもきっとできるようになるでしょう。

あわせて読みたい。

C++ Coding Standards―101のルール、ガイドライン、ベストプラクティス (C++ in‐depth series)

Effective C++ 原著第3版 (ADDISON-WESLEY PROFESSIONAL COMPUTING SERIES)

新訂版 More Effective C++ (Ａｄｄｉｓｏｎ?Ｗｅｓｌｅｙ　ｐｒｏｆｅｓｓｉｏｎａｌ　ｃｏ)

Effective STL―STLを効果的に使いこなす50の鉄則

Exceptional C++―47のクイズ形式によるプログラム問題と解法 (C++ in‐Depth Series)

More Exceptional C++ さらに40のクイズ形式によるプログラム問題と解法 (C++ In‐Depth Series)

Exceptional C++ Style―40のクイズ形式によるプログラム問題と解法=スタイル編 (C++ in‐Depth Series)

Efficient C++パフォーマンスプログラミングテクニック