形の違う問題

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20060714#p3

これが業界によっては逆になってしまうのが問題なんですよ.良いものを短期間で作ると儲けが減る.儲けるためには意図的であるにせよ無いにせよ品質を落とさなければならない.そういう構造ができあがってしまっているんですよね.一度こうなると技術力のある人はありがた迷惑,厄介者になってしまう.

 これは薄々感じていた事でありながらもジレンマを感じてしまいます。良いものを短期間で作り上げたのにも関わらず儲けが減ってしまう=「短期間」だけが注視されて「良いもの」が評価されていない。ソフトウェアの持つ複雑性故だとも言えますが、技術のない人間がダラダラと時間をかけて作り上げた「ただ動くもの」が「儲けを生み出す製品として最適なもの」となってしまうのだとしたら、それは凄まじいジレンマですね。

でも,希に,そういうのとは関係なく「面白いから」「やってみたらハマった」と口コミで面白さがひろまってヒットするというのもありますよね?「当てはまりにくいし,常に成立するわけではない.」というのは分かるんですよ.実際にそういうヒット作は万に一つかもしれないけれど,それでも少なくとも儲けるためには良いものを作る必要がまだしも認められる.

 まさに「希に」というところがミソでして、これは本当に希になんですよね。まさにJavaBlackさんがおっしゃる通り万に一つ。
 多くの場合は限られた予算の中で限られた人員で何とか動くものをつくる、という風潮があるので「良いものを作る必要」にかられないこともしばしばです。

 寧ろ、
 neodenjinさんの
 http://d.hatena.ne.jp/neodenjin/20060714#p4
 で言及されている通り、

自分らが面白ければいい=>儲からなくてもいい=>いつまでも貧乏

 のように自分が好きだから作ってます、という偏りのあるものであったり、

面白いと思うのに=>売れない=>センスがないことに気づいてない

 に類する「俺様ゲーム」が横行したり、

 予想外に儲かった=>無難に続編を作っとこ=>中庸

 のような衰退化の一途を辿るような末路が多いです。

 猿まねも得意で「脳を鍛えるゲーム」が流行ればそれに追随する劣化ゲームを大量に生み出しジャンルそのものを自ら死に追いやるようなマネも平気で起きます。
 お金を出す側が道楽くらいにしか考えていないからかもしれません。

 ここで言うユーザに評価されるための「良いもの」を作り出すには「顧客要求」に反する必要があり、反したからと言ってそれを「良いもの」であると判定する物差しがないため、結果としてどうしようもないものが出来上がってしまいます。
 例え、結果として良いものを作って評価された場合も、その後同じ冠をかぶせたタイトルで酷評を戴くことはよくあることですし。

 近年はグラフィックの向上のおかげで見栄えがよくなったので「見た目」とか「雑誌の映え」に拘って中身が伴わないというのが割と当たり前になっている気がします。

 プログラマの問題では無くなっているので余談的ではありますけれども。