メモリの少ない世界なんてあるのか?
ある。
ないと思った人は読む価値がない。帰れ。
ということで、省メモリプログラミング。
対象としては、10MB程度のデバイスを対象としているのだろうが、
自身が今対象としているマシンも64MBしかメモリがなく、
各プログラマに対してアロケータによってメモリ空間が制限されているくらいなので、
各プログラマが操るメモリ空間のサイズを考えたら十分価値があるだろう。
もちろん、巷のデュアルスクリーンな4MBのメモリしか持たないマシンにとっても有用だ。
ただ、本書はパターンを示すだけであって、
それ以上ではない。
そのパターンにはそれぞれ「どういうデメリットを持ち」「いかなるメリットをもたらすか」
が記載されているので、その判断はプログラマに委ねられている。
例えば、GBAのようなデバイスでは、VRAMを通常のRAMのように扱っても良い。
もちろん表示に使える自由度は低下するが、どうしようもなけりゃどうしようもない。
つまりはそういうことだ。
有限のメモリを何かしらうまく使おうとするのならば制約を得る。
制約というと何やら手厳しいのだが、
こっちはなんとかするから、
あとはてめえでなんとかしやがれべらんめえ、ということだ。
Windowsのプログラマなどはほぼ無限のメモリに囲まれているが、
そうでない諸君には是非読んで貰いたい書物。
ReferenceCountingや、GarbageCollectionに関してもちゃんと触れてあり、
そつがない。
が、メモリに困っていないあなたは読む必要がない。
省メモリプログラミング―メモリ制限のあるシステムのためのソフトウェアパターン集 (Software patterns series)
- 作者: ジェイムズノーブル,チャールズウィアー,James Noble,Charles Weir,安藤慶一
- 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
- 発売日: 2002/06/20
- メディア: 単行本
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