リスクと素敵な日々を過ごそう

 ということで。

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理


 を読みました。
 所謂「リスク」に関してのお話で、要点は

  • リスクを持つプロジェクトを選択し成功させる事で企業は成長する
  • リスクを伴うプロジェクトを乗り越える事で人材は成長する
  • 潜在的リスクは潜在を望む人間によって潜在であることを強いられる
  • 乗り越えられなさそうなリスクに対し目を背けるか、きっと乗り越えられると信じ込むことで回避することは結果如何に関わらず間違い

 というところか。
 リスクを分類するところなどは当たり前かもしれないと思うが、例えば「隕石が会社に落ちてきてスタッフが全員死亡する」というリスクは考慮しなくて良いが「何らかの理由でプロジェクトに必要なミドルウェアのリリースが間に合わない」や「スタッフ間における不協和で実装がはかどらない」といったリスクは考慮しなければならない。
 そうしたプロジェクトに伴う筈の「リスク」を理解するための一冊と呼べる。

 では、どうやって必要なリスクを浮き彫りにするか、リスクの計量をどうすればいいのか、それにどう対処すべきか、それらリスクを抱えながら開発をするにはどうしたら良いか、などが主に述べられている。
 この一冊でどうなる、というものではなくこれはあくまで「リスクを踏まえる」ための本で、そうしたリスクを認識したり、軽量化したり、軽減したり、傍らに置きながら過ごしていったり、ということを理解するための本であり、これのみで何かを為そう、ということはできそうにない。
 が、読みやすく有用な本に思われる。